眼科では治療対象によって点眼薬(目薬)、目軟膏、内服薬、注射薬・点滴薬を使い分けます。
「ものもらい」「角膜炎」「結膜炎」「目瞼炎」「ドライアイ」「白内障」「緑内障」など目の表面付近に生じる疾患や表面からの浸透で効果が得られる疾患では点眼薬や目軟膏を、「網膜症」「網膜静脈閉塞症」「網膜動脈閉塞症」「ぶどう膜炎」など目の奥の眼底という部分に生じる疾患では内服薬や眼内注射を、また一部の疾患の急性期病状(網膜中心静脈閉塞症、急性緑内障発作、など)に対しては静脈注射薬や点滴薬を使う場合もあります。
薬物治療で注意しなければならないのは、患者さんにクスリの使用ルールをしっかりと守っていただくことです。薬物の効果は一般の人が考える以上に個人差が大きく、ここをキッチリと見極めることが私たちの仕事の重要な部分です。にもかかわらず、点眼や服薬を忘れたり、ご自身の判断で服薬中断してしまうとクスリの効果が判定できず、強めるべきか、他のクスリに切り替えるべきかなどの重要な判断がまったくできなくなってしまい、先に進めないのです。例えば、超慢性に進行する緑内障では経過中のデータを評価できなくなるだけでなく、どれだけ強力な治療を投与すべきかという重要な判断がまったくできなくなってしまいます。アレルギー疾患の場合などでは、症状が少し楽になるとクスリを止めてしまい、また悪化し点眼再開というサイクルを繰り返すと慢性化し治療に抵抗するようになりクスリが効かなくなります。
私たちの薬物治療に関する基本的な考え方は、「必要なものを必要な期間のみしっかりと」「不要なクスリは処方しない」ことで症状を抑え、重症化・慢性化を防ぐことです。そして個別に十分な説明を実施することで患者さんのクスリに対する理解と薬物治療の継続に努めています。
また、患者さんの中には、クスリの副作用に過剰な反応・心配をされる方もいますが、きちんと処方通りの量と使い方を守り、指示通りの間隔で通院していれば科学的に安全性は確保されていますし、院長の豊富な経験と治療実績に基づく処方で効果の最大化とリスクの最少化に心がけていますので安心してお任せください。
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