① 7万人が通う眼科クリニック「寄り添う医療」の重要性
当クリニックに受診登録している患者様の数は、開院後8年を待たずに既に7万人を超えています(東京ドームの収容人数が4万6千人です)。つまり一年間に1万人弱の方々が新たな患者様となっているのです。墨田区の人口が26万人
ですから、赤ちゃんからお年寄りまでの全ての墨田区人口の4分の1以上の方が当院を受診している計算になります。
地域の人々だけではなく、通勤で錦糸町・押上駅近辺を通る方に加え、遠方から通われる患者様も沢山いらっしゃいます。関東では静岡県熱海市、千葉県東金市、群馬県高崎市、より遠方では四国香川県、大阪からも通われている方がいらっしゃいます。(「近きもの喜べば遠きもの来たらん」〔孔子〕)
また転居や転勤で通院が難しくなっても引き続き通われる方や、出産後一旦近医に転院しても子育てが落ち着くとまた当クリニックに戻って来られる方もいらっしゃいます。
それはとりもなおさず、私たちが目指している「寄り添う医療」が、目の病を患っていらっしゃる患者様の求めるものだからだと確信しています。
② 診断治療機器のラインナップ
検査室
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- まず一番に行う眼科の基本的な検査機器と、OCT、FDTと言った網膜・視神経の精密検査機器がならびます。
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- 暗室で行う検査・治療の機器です。左から最新のハンフリー視野計(HFA III)、レーザー治療装置、KOWA眼底カメラ。
最新鋭の検査機器
- NAVIS(画像ファイリングシステム)により全データがいつでも呼び出せ患者様への説明や紹介状に。
- ハンフリー視野計により緑内障等の視野検査を行います。
- Zeiss社のFDTはハンフリー視野計では検出できない軽度の視野異常・感度低下も検出します。
- Zeiss顕微鏡に搭載されたレーザー装置。大病院に転院せず日帰りで治療が受けられます。
- KOWA無散瞳眼底カメラは日常診療に不可欠なほか、健康診断でも威力を発揮します。
- NIDEK社のOCT(光干渉断層計)RS-3000 Advanceにより、視野に異常の無い、極く初期の緑内障まで診断できます。また、糖尿病性網膜症、黄斑変性症の詳細も手に取るように分かり、悪化・改善の判断が出来ます(下記説明参照)。
③ ほとんどが口コミで来院
ご紹介の際にはポストカードを差し上げています。
当クリニックの待合室に座ると、患者様の年代が、赤ちゃん、若者、夫婦や家族連れ、お年寄り、など偏りがないことに気付かれるでしょう。最近はお年寄りでもインターネットを検索したり他のご家族が検索して当クリニックを訪れる方が多くなり、電話帳を見てくるお年寄りはめっきり減りました。
一度当クリニックにおいでになり納得して帰られた患者様は、家族や知人の方をご紹介なさる方が大変多いため、当クリニックではご紹介下さった方と、そのご紹介でおいでになった方にポストカードを差し上げています。これは、当クリニックの院長が撮影した風景写真の中から、心が癒される優しい自然の四季を選んだもので、どこにも売っていないオリジナル・ポストカードです。
緑内障や網膜変性症など遺伝性の強い疾患についてはご家族の協力が何より大切です。また生活習慣に関連する糖尿病性網膜症、色々な種類の眼底出血などは会社の同僚のすすめで受診される方が多くいらっしゃいます。
そんな方々が当クリニックを思い出してくれるきっかけにと配り始めたポストカードですが、既にいくつかのものは増刷しています。今後も口コミのお役に立てば幸いと思っています。
④ 当クリニックを選ぶ患者さんはこんな人たち
当クリニックに通われる方には、以下のようないくつかの共通点があります。
- 知識レベルの高い方
- 医師やスタッフから優しく接してほしいと願う人
- 丁寧な診察・対応を望む人
- 他の病院での説明や治療方針に納得できなかった人
- インターネットでの知識を盲信せずきちんとした診察を受けたいと思っている人
- 自分の病気を理解し受け入れ、前向きに治療してゆこうとする人
- 自分の診察にも他の人の診察にも時間がかかることを受け入れられる人
- インターネット検索で徹底的に他の医療施設との比較をおこなってから来られる人、またインターネット上の医療クチコミサイトを閲覧して来られる人
- 親しい人からのクチコミによる紹介で来られる人、また家族や友人など大切な人を紹介される人
⑤ 緑内障の診断力と治療実績
「緑内障」での秀抜した診療実績
当院が患者さんの口コミや、他の医療機関から多くの紹介をいただいていることの理由の一つが「緑内障」の診断成績と治療実績です。
「緑内障」については当ホームページの「緑内障専門外来」と「眼の病気について」に詳しく解説していますが、その特徴を要約すると以下のようになります。
- 日本での中途失明原因の最上位
- 「眼の成人病」ともいわれ、40歳以上の20人に1人が発症。さらに、加齢に伴い有病率が上昇
- 国内の推計有病者数約300万人
- 有病者の7割以上は正常眼圧緑内障
- 末期になるまで自覚症状に乏しい(特に初期)
- 病態の進行は緩徐で不可逆的(悪化をくい止めるだけで改善することができない)
- 治療は「薬物治療(点眼薬、内服薬)」「レーザー治療」「手術」による眼圧下降
早期発見・早期治療が大切なのはあらゆる疾患に共通しますが、「緑内障」の場合、自覚症状に乏しいことが発見を遅らせる最大の原因になっています。また、「緑内障」の診断では、「眼圧」「視神経乳頭陥凹拡大」「網膜神経繊維束欠損」「視野障害」などのわずかな変化を的確に見つけ出し、専門的な知識、多様な症例データに基づく評価・判断を必要とするだけに、医師の技量と診断機器が大きく試されることになります。当院で通院治療をしている1,000人以上の患者さんのうち、あらかじめ自覚症状を持った方は僅かに9名、つまり約99%の患者さんが当院での精密検査によって「緑内障」が発見されています。
当院では2012年8月よりOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)を導入し、緑内障の早期診断に絶大な威力を発揮してきました。これにより視野検査で異常を検出できる前の極めて初期の緑内障「PPG (Pre-Perimetric Glaucoma:視野前緑内障)」を容易に発見できることができるようになり、9歳の女児の緑内障まで診断できています。また、特に「家族に緑内障がいて自分も心配なので他院で調べてもらったが緑内障ではないと言われた。しかし心配なのでもう一度調べてほしい」という主訴で来院された患者様の中にOCTで診断可能だった例が多数存在します。
「緑内障」の場合、治療によって失われた視神経の機能を回復させることは残念ながらできません。そこで、できる限り早期に診断をつけ治療を開始することに加え、患者さんの個別性に配慮した適切な治療を選択し継続することで症状の進行を遅らせ、重症化、さらには失明を防ぐことが重要になります。
こうした的確な診断と治療実績が、国内外の研究機関や大学病院、基幹病院等で網膜領域の研究と臨床経験を徹底的に積んできた当院院長の力が如何なく発揮されていることの証左といえます。
⑥ 合い言葉は「安心」と「安全」
医療における安全とは、ただ単に法律で定められたことを遵守すると言った単純なことで担保されるものではありません。安全が何よりも優先するのだという「理念」が医療従事者全員の意識の中に深く根ざしていなければなりません。
安全のためには時にはコンタクトレンズ処方希望の方でも、目の状態があまりに悪い方(角膜の傷がひどかったり結膜炎がひどい人)にはレンズ装用中止を指示しなければならないこともあります。コンタクトレンズを売るためのいわゆる「コンタクト診療所」では不十分な診察や曖昧な基準でレンズ処方を行っているところも少なくありません。私たちは、日本眼科学会・日本眼科医会や厚生省のガイドラインを厳密に守り、何よりも患者様の目の将来を大切にしています。検査・処方の後の診察でレンズが処方できないと聞いて怒り出す方もまれにいらっしゃいますが、患者様の言いなりになって目の健康を損なうような行為をおこなっては眼科医療として本末転倒です。私たちが何よりも「安心」と「安全」を重んじていることをご理解ください。
また、安心とは、「このクリニックを選んで良かった」と思って頂けることだと私たちは考えています。
脳外科でMRIまで撮ったのに視力低下の原因がどこへ行っても分からず、ここへ来てようやく診断して貰えたとか、だんだん悪くなって行く病気なのにどれくらい悪くなっているのかいないのか、他の人と比べて進み方は速いのか遅いのかなど聞きたいことが山ほどあるのにろくに答えて貰えない、質問をする雰囲気さえない、と言うことは大病院では良くあることです。
患者様が知りたいことに答えることはサービス業の基本だと私たちは考えています。「患者様の声」のコーナーでは、そのような事例が数多く読むことが出来ます。
⑦ アフターサポートの重要性
同じサービス業でも、例えばレストランではお店とお客様との最も良い関係は「またおいで下さい」「美味しかったです、有り難う。また来ます」です。でも医療の世界での最も素晴らしい関係は、「もう来なくて大丈夫です。お大事に」「すっかり良くなりました。もう来なくて良いんですね」です。
しかし実際には、そう簡単にハッピーエンドに終わらないことが多くあります。お付き合いが長くなるとアフターサポートの重要性が増してきます。どのようなときに「アフターサポート」が大きな意味を持つか考えてみましょう。
目の検査で糖尿病や脳腫瘍や皮膚ガンが見つかることがある!
目の症状を訴えても、実際には他科との関連を持つ疾患や、全身的な疾患の一症状として目に自覚症状が現れる場合があります。中には文字通り命に関わる疾患も少なくありません。
当クリニックでは他科との連携が必要と判断された場合、直ちに診療情報提供書(紹介状)を書いて専門科・専門施設に御案内しますが、そのおかげで多くの人が早期に正しい診断・治療を受けられ、中には脳腫瘍や皮膚ガンが見つかって命を取り留めた患者様もいらっしゃいます。
- 内科
- 糖尿病、高血圧、動脈硬化、リウマチ・膠原病、甲状腺疾患等では内科医との細かい連携が必要です。特に国内に890万人もいると言われている糖尿病患者のうち、治療を受けているのは僅か237万人に過ぎず、残りの7割以上は未治療です。即ち、「自覚症状が無い」ために気が付かず、たとえ健康診断や人間ドックで指摘されても軽く考えて後悔することが非常に多い現代病です。
- 脳外科
- 目は中枢神経の一部ですから、視力障害や視野障害が現れる病気では、目だけではなく脳の異常を調べることが非常に多くあります。また、目の内部や目の周りにも腫瘍が出来ることもあります。当クリニックから直接MRI検査施設に依頼することもあれば脳外科を通して依頼することもあります。実際に脳下垂体の腫瘍や髄膜腫、脳梗塞や脳出血が数多く見つかっています。特に下垂体腫瘍や髄膜腫は若い人に多いので要注意です。
- 皮膚科
- 目の周りの皮膚や瞼に腫瘍、疣贅(イボ)などが出来たときは皮膚科医とタイアップして対応しなければならないことがあります。中には単なる「ほくろ」だと思ってご本人は全く気もせずにいて、別の病気で当クリニックを受診したときに院長の診察で皮膚ガンが疑われ、紹介状を持って大病院に行き手術で一命を取り留めた患者様もいらっしゃいます。また、帯状疱疹や単純疱疹などのウィルスによる皮膚疾患はしばしば目(角膜や虹彩)にも炎症を起こすので、眼科と皮膚科の連携が必要です。
- MRI・CT
メディカルスキャニング(銀座、新宿、お茶の水、上野、日暮里など)、四谷メディカルキューブ
- 内科
清水クリニック、慶應義塾大学病院、東京大学病院、東京医科大学病院、日本医科大学病院、東京女子医大病院、都立墨東病院、賛育会病院など
- 脳外科
慶應義塾大学病院、東京大学病院、都立墨東病院、賛育会病院など
- 皮膚科
錦糸町皮膚科スキンケアクリニック、慶應義塾大学病院、都立墨東病院、賛育会病院など
- 甲状腺疾患
伊藤病院(表参道)
白内障・緑内障や硝子体手術などは、院長の人脈でその道の名医をご紹介しています。
薬物治療やレーザー治療は眼科治療の基本です。当クリニックではこれらの治療を主に行なっていて、白内障や硝子体手術はおこなっておりません。疾患の多くはまずは正しい診断が必要で、できる限り手術をおこなわないで良い状態を保つことが基本ですから、当クリニックはここに全力を注いでいます。しかし、一旦手術が不可欠と判断された場合は、眼科の中でもその道のプロの手にゆだねるのが何よりも最善の道です。スポーツや芸術と同様、手術も毎日のように同じ手術手技に磨きをかけている匠の技に勝るものはありません。従って、一人一人の患者様の病状に合わせて丁寧な紹介状を添え、院長自身が信頼してお任せできる日本の名医に患者様をご紹介しています。
下記は、院長の長年のお付き合いに基づく人脈により患者様をご紹介している医療施設と主治医の先生方です。
- 白内障手術
三井記念病院眼科・日本橋白内障クリニック・秋葉原アイクリニック(赤星隆幸先生)
- 網膜硝子体手術
竹内眼科クリニック(竹内忍先生)
- 角膜移植
東京歯科大学眼科(島崎潤教授)
- 緑内障手術
東邦大学医学部大橋病院(冨田剛司教授)・東京逓信病院 (松元俊先生)
去って行く患者様にこそ丁寧で詳細なアフターサポートを!
当クリニックに通院される患者様の多くは、何らかの積極的な理由で当クリニックを選んでいます。会社都合の転勤やご家族の引っ越しに伴ってやむを得ず転院しなければならない患者様もいらっしゃいます。長期の経過観察が必要な疾患をお持ちの患者様では、当クリニックでの診断、検査結果、治療成績などの経過を紹介状に添付することが大変重要です。
このような慢性・進行性疾患の代表が緑内障です。例えば、いつ頃どのような形で診断され、いつからどのような治療薬を使い、その結果として眼圧がどれくらい下がり視野障害がどれくらい進んだのか、あるいは進行を食い止めることが出来たのか?そして、今後どのような治療方針で継続していったら良いのか?これらのかけがえのない情報を持っているのは現在の主治医です。新たに患者様を受け入れる側としては、もしこれらの情報が無かったら、あるいは不十分であったら、診断・治療・経過観察の作業を時にはゼロからやり直さなければならないのです。しかも一度進行した視野障害は改善させることは不可能ですから、新しい治療薬を試したりすることは医師にとっても患者様にとっても大変勇気のいる大冒険です。
当クリニックでは、ありとあらゆるデータをポイントを押さえて紹介状とし、眼圧の長期データはもちろん、ハンフリー視野計のデータ、FDT、OCTのデータなどを必ず添付しています。紹介先の眼科からは毎回のように「詳細なご紹介状を有り難うございました」を感謝の言葉を頂いています。
去って行く人にこそ丁寧医で詳細なアフターサポートが重要だと私たちは考えています。
⑧ 子育てママ・中高年者・障害者支援
当院の業務のほとんどは女性のスタッフによって運営されています。そのために当院では、女性がサービスの一線に立つことで物心ともに充実し、イキイキと輝ける職場環境づくりに取り組んできました。
なかでも特に心がけているのが、子育て中のママ、キャリアを活かした中高年世代の復職、そして障害を持つ方の就労支援です。家庭環境や年齢、あるいは心身の不自由などによる制約は、チーム一体のサポートで十分にカバーしてきました。何より、医療の仕事にやりがいを感じることで「自分らしさ」「女性ならではの心遣い」を持ち続け、さらに経済的な自立や豊かなリタイアメントライフを目指すものです。
子育てママ支援
当院では、現在3名の子育てママが就労中です。
正職員で入職した受付事務のKさんは、第一子の出産を機に一旦退職しましたが、お子さんが保育園に預けられる月齢になり常勤パート職員として復職されました。夕方、保育園にお子さんを迎えに行くと、そのままクリニックに戻るという勤務を続け、その後に第二子を出産。育児休業後も継続勤務を希望され、赤ちゃんをベビーカーに乗せて出勤し、毎日18時までの勤務をこなしてきました。
同じ事務職のTさんは、パート職員として入職した約2年後に第一子を出産し約4カ月後には職場に復帰されました。保育園への入園を待つ期間、赤ちゃんを連れて出勤するTさんは、赤ちゃんが愚図り出すとベビーキャリーに抱いたり背中におんぶして、それでも仕事の手を休めることはありませんでした。中には、子どもの泣き声を不快に感じられた患者さんもいらっしゃったかもしれません。それでも多くの患者さんは子育てママの仕事ぶりに理解を示され、スタッフと一緒になって子どもをあやしてくれました。これが地域に根ざした医療機関の光景なのです。
そして、最近入職されたOさん。中学生の娘さんが母親の医療現場への初めての挑戦に「お母さん、カッコいい~」と賛同してくれているそうです。
スタッフのお子さんは当院にとっても大切な家族です。スタッフだけでなく、患者様までもが参加する子育てママの育児と仕事の両立支援に、Kさん、Tさん、Oさんともに屈託のない笑顔で口をそろえるのは「こんなクリニックがあるんですね~!」
これも当院が目指している就労支援の一つの姿です。
中高年者就労支援
定年年齢の引き上げや高齢者雇用の促進といった時代の趨勢を意識するまでもなく、当院では人生のベテランプレーヤーとしての豊富な社会経験や、相手の世代を問わない高いコミュニケーション力を人的資源と考え、中高年者雇用の機会を作ってきました。平均寿命87.05歳(2015年/女性)という長寿の時代に、生涯現役を目指して輝ける仕事を持つことは、若さと健康を保つだけでなく、老齢年金を補う豊かなリタイアメント生活を過ごすための経済基盤を生み出します。長く生きることと同時に、豊かに生きることもこれからの時代に大切なテーマであると私たちは考えます。
人は財産であり、その人の経験は宝物です。だからこそ、次の世代に受け継いでゆかなければなりません。当院では定年退職者や、子どもが独立した高齢者が常に数名働いています。
障害者就労支援
日本で初めて民間宅配サービス産業を確立したヤマト運輸の創始者、故小倉昌男氏は、在職中から各地の障害者作業所を回り、当時1万円にも満たない低賃金のなかで働く障害者たちの姿を目の当たりにされました。障害者雇用のあり方を根本から正さなければ弱者を社会的に保護する福祉インフラは育たないと確信された小倉氏は、巨額の個人資産を投じて公益財団法人ヤマト福祉財団を設立、障害者の社会参画と自立支援に尽力されてきました。現在、都内直営4店舗、全国に24店舗のフランチャイズ店を展開する「スワンベーカリー」もその一つで、同店で中心的に働くすべての障害者が10万円以上の労働対価を得て一定の経済的自立を実現し、イキイキとした社会生活を送られています。私は、自分が開業するときには、いつかこうした「職業を通じての社会貢献」に結び付けたいと考えていました。
そして幸いにも事業の規模は比べるべくもありませんが、開業からわずか数年で、小倉氏の志を引き継ぐ心意気で当院でも支援の小さな第一歩を踏み出すことができました。
障害者の社会参画の障壁となっているのは、ご本人の職務能力だけではなく受け入れる側の理解とサポート体制です。当院では公的機関である「すみだ障害者就労支援総合センター」の協力の下、心身にハンデを持つIさんに入職していただいています。過去に遊技場での清掃業務に携わっていたIさんは、仕事上の戸惑いを同僚に相談しても皆曖昧な対応をするだけで、スタッフの一員としてまともに扱われなかったといいます。Iさんは社会との関わりに怯み、すっかり心を閉ざしてしまいました。その後センターからの紹介で当院に転職されましたが、医療機関での勤務経験など当然ありません。そこで、まずはバックヤードでの内務からのスタートでしたが、不慣れな仕事内容ながらもその表情には充実感が見られました。少しずつ心が開かれ、今では他のスタッフとのコミュニケーションも円滑になり毎朝の朝礼でも元気に挨拶されています。まだ掲げる目標には及びませんが、Iさんは「自立」に向けた確実な一歩一歩を踏まれています。
⑪ 「安全」と「環境」に対する配慮
医療安全に対する配慮
医療機関の運営で守らなければならないのは、第一に万全な医療安全です。医療安全とは、医療事故につながりかねないあらゆるリスクを想定した安全管理・衛生管理・情報管理等をガイドライン化し実施するものです。
まず、当院では検査や処置で使用した医療材料・医療廃棄物は専門の医療廃棄物処理業者によって適切に処理しています。回収業者が用意する専用の収納ケースに廃棄物を蓄え、この箱は一度蓋を閉めると二度と開けられない仕組みになっているため、内容物は誰の手にも触れることはありません。業者が定期的に回収に来て、その後も正しく排気されたことを示す証明書が発行されます。
また、当院のカルテについては診療終了日から5年間、法に則り厳重に保管管理され、管理期間を過ぎるとこれも別の専門業者によって回収され、廃棄においても飛散・紛失が無いよう破砕・溶解処理されています。
環境を守るための配慮
また、当院ではこの医療安全に加えて、環境への配慮を日常化する取り組みを行っています。当院のスタッフが、制服の腰にハンドタオルを携帯していることにお気づきですか?
医療機関では感染症予防など衛生管理の観点からこまめな手洗いを実施しています。その際に、かつては使い捨てのペーパータオルで手を拭いていましたが、排出されるゴミ削減を目的にスタッフは毎日洗い立てのハンドタオルを使用することにしました。ペーパータオルを使っていた時には45リットルのゴミ袋一杯に詰まった可燃ゴミが一日に4袋も排出されていたのですが、ハンドタオルに変えてからこのゴミ袋が一日にたった1袋に削減されたのです!この1日1日の努力を年単位で積み上げて行く地道な取り組みを、私たちは今後も続けて行くつもりです。
「MOTTAINAI」(もったいない)の実践
この写真、何だか分かりますか?
これは当院院長が仕事で使ってきた色エンピツです。その長さは数ミリしかありません。
ノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイさんがかつて来日した際に感銘を受けたとされる言葉「もったいない」は、すでに環境保護への世界共通言語として定着しました。
Reduce(削減)+Reuse(再利用)+Recycle(再資源化))+Respect(尊敬)=「MOTTAINAI」(もったいない)
当院においても、モノを大切に使うことで環境美化への配慮に心がけ、それを認め合う風土を醸成したいと考えています。