錦糸町 眼科 かじわら アイ・ケア・クリニック

癌は生活習慣で予防できる!

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癌は生活習慣で予防できる!

基礎知識と「がん発症リスクを50%減らす6つの習慣」

がんは「運」ではなく「選択」で防げる時代に

「がん」と聞くと、多くの人が「不運」や「遺伝」を思い浮かべるかもしれません。
しかし今、医学の進歩と膨大なデータによってわかってきたのは——
**「がんの発症リスクは生活習慣で約50%減らせる」**という事実です。

私自身、医学部時代の同級生や友人の中にも、がんを抱えながらも元気に長生きしている人がいます。
私のクリニックに通っている患者さんの中にも、治療と向き合いながら前向きに過ごしている方々がたくさんいます。
だからこそ今回は、「がんって何?」という基礎の話から、日々の習慣でがんを遠ざける方法までを、やさしく、わかりやすく解説していきます。

1. がんって何?基本から学ぼう

がんは「細胞のコピーエラー」で起きる病気

がんとは、「細胞が無秩序に増え続ける病気」です。
胃や大腸など、どの臓器にも発生する可能性があり、腫瘍が大きくなると臓器を圧迫し、機能不全に陥らせることもあります。

私たちの体は、毎日傷んだ細胞を新しい細胞へと置き換えています。
その際、DNA(設計図)をコピーしますが、**ごく稀に「ミス」**が起こります。これが「突然変異」です。

DNAはA・T・C・Gの4文字で書かれた遺伝情報。
1つの細胞に“図書館一つ分”の情報が詰まっており、それをコピーして分裂する際にミスが出ると、がんの原因となる細胞が生まれるのです。

実は誰の体にも「がん細胞」は日々生まれている

しかし安心してください。
私たちの体内には、こうした「ミスをした細胞」を見張り、処理してくれる**免疫システム(監視役)**が備わっています。

つまり、がん細胞ができること自体は珍しいことではないのです。
それが大きくなったり、見逃されたりすることで病気として表面化するのです。

2. 良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)の違い

  • **良性腫瘍(例:ポリープ)**は、基本的に命に関わりません。取り除けば再発の心配も少なく、転移もしません。
  • **悪性腫瘍(がん)**は、周囲の組織を壊しながら広がり、他の臓器に移動する(転移)リスクがあります。

3. がんの治療方法は主に3つ

手術

がんのある部分を切除します。

抗がん剤治療

がん細胞を薬で攻撃します。

放射線治療

がんの局所に放射線を照射して破壊します。

がんの種類や進行度によって、これらを単独または組み合わせて行います。

4. 抗がん剤と分子標的薬の違いとは?

抗がん剤(従来型)

  • がん細胞だけでなく、正常な細胞も攻撃してしまう
  • 吐き気、脱毛、だるさなどの副作用が出やすい
  • ただし効果は高く、今も第一選択の薬として使われています

最近では、副作用を軽減する薬も進歩し、以前よりかなり治療しやすくなっています。
実際に、私の同級生が肺がんの術後に化学療法を受けた際、「思ったほど辛くなかった」と話してくれました。

分子標的薬

    • • がん細胞だけが持つ「特定の構造」にだけ反応
    • • 正常細胞を傷つけにくく、副作用が少ない
    • • 単独では効果が弱いため、抗がん剤と併用されることが多い

5. 「手術したから終わり」ではない理由

がんの塊を取り除いても、血管やリンパに紛れて体内を巡るがん細胞が残っている可能性があります。
それが数年後に増殖し、再発することも。

これを防ぐために、手術後に**補助化学療法(アジュバント療法)**として抗がん剤を投与することがあります。

6. 大腸がんが増えている2つの理由

  • 高齢化:60代〜70代の人口が増加している
  • 食生活の欧米化:肉食中心、野菜不足、便秘傾向が影響していると考えられています

7. がんを50%予防できる「6つの生活習慣」

① 禁煙

  • 喫煙者はがんの発症率が高いだけでなく、手術の回復も悪い
  • 傷の治りが遅く、痰が増えて肺炎や感染症のリスクが高まる

② 節酒

  • 飲まないのがベスト
  • 飲む場合は、缶ビール2本 or 大瓶1本までを目安に
  • 肝臓がん・食道がんのリスクが高まる

③ 食生活の改善

  • 野菜はホール(生・煮る・焼く)で摂取。ジュースは効果が薄い
  • 塩分は控えめに(日本人は1日9〜10g、世界平均は6g)
  • 高血圧や心臓病のリスクも下がる
  • 高温の食べ物や強いお酒も食道がんのリスクに

④ 運動習慣

  • 1日60分のウォーキング
  • 週1回のジム通いや軽い筋トレもおすすめ
  • 通勤時に「1駅前で降りて歩く」だけでも◎

⑤ 適正体重の維持(BMI 20〜25)

  • 太りすぎも痩せすぎもリスクに
  • 特に若い女性の“痩せすぎ”は将来的に注意が必要

⑥ ウイルス・細菌のチェック

  • B型・C型肝炎ウイルス → 肝がん
  • ピロリ菌 → 胃がん(除菌は抗生剤で可能)
  • ヒトパピローマウイルス → 子宮頸がん(ワクチンあり)
  • HIV → 全身にがんができやすくなる

8. その他に注意したいこと

  • 熱すぎる飲み物や料理
  • 濃いアルコール

これらは、食道がんや咽頭がんのリスクを高めることが知られています。

📚参考リンク・文献

  1. 国立がん研究センター|がん情報サービス
  2. WHO|がんと生活習慣に関するガイドライン
  3. 中山祐次郎 著『医者の本音』『元外科医の本音』

🎯まとめ:がんは「防げる時代」に入っている

がんは決して「不運な病気」ではなくなってきました。
最先端の治療が進歩する一方で、日々の生活習慣を見直すことが、がん予防に直結します。

1つずつでもいいのです。
今日からできることを、あなたの健康のために、始めてみませんか?

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